燕翔橋北斗の旅々失礼します

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年の瀬の東海道・木曽路の「鐵」旅行

東海道木曽路経由で甲州

年末恒例の帰省を兼ねた旅行。今回組んだ旅程は「都区内→金山→塩尻→大月→都区内」。最初は「青春18きっぷ」の利用も考えたのだが、試しに、とJR東日本の「えきねっと」で「出発駅:池袋、到着駅:新宿、経由駅:金山、塩尻」と入力したところ、ちゃんと経路通りのきっぷが発券予約された。この経路にオンライン予約で対応しているとは、さすがである(他社の予約サイトは試してないので分からない)。
この「普通のきっぷ」、実はこんな利点がある。

  • 使用可能期間は青春18きっぷと同じ連続5日*1
  • 今回の経路の場合、10,660円となり、18きっぷ5日間用12,050円より安価。
  • 特急料金のみの加算で新幹線や特急列車にも乗れる*2
  • 都区内以外では途中下車も可能で、自動改札で出入りできる*3

行程によっては、青春18きっぷより、普通乗車券を買った方がちょっとだけ利点があるのだ。

年の瀬「鐵」旅行~東海道編~

2024年12月30日 1本目:池袋→国府津 湘南新宿ライン快速国府津行 2829Y

すっきりとした冬晴れの割には、そこまで冷え込んでいない晦日の朝。前日深夜まで仕事だった割に、すんなり起きられた。それをいいことにあまり時間を気にせず、自分のタイミングで池袋駅に向かうと、9:26発の国府津行きの表示。10分以上あるので駅構内のそば屋へ。朝イチの冷えた体を一度温めようと、きつねそばをすする。>

池袋駅改札内のそば屋爽亭のきつねそば

以前この時間に出てきた時は、コミケットの開催と被って同じホームの埼京線がだいぶ混んでいたものだ。今日はコミケット開催日のようだが、参加者にとってはちょっと遅めの時間帯らしくそこまで人は多くなかった。自分の乗る列車も、池袋段階では年末らしからぬ混雑具合だった。
横浜あたりから、徐々にスーツケースや大きめのバックパックを持った客が増えた。
途中で、やや大きめのバッグとベビーカーを持った夫婦が乗ってきた。平塚か茅ヶ崎あたりだったように思う。乗るなりベビーカーから「やだぁ、降りる!」の声。降りるわけには行かないとなだめる父親。お疲れさま、である。
11:03国府津着。ここで跨線橋を渡って、熱海行きに乗り換え。同じ乗り換えをする人は数名。どうやら乗り継ぎをする人たちは、同一ホームで乗り換え可能な鴨宮で降りてしまったらしい。これは迂闊だった。

2024年12月30日 2本目:国府津→熱海 東海道線普通熱海行 1851E

手元の「コンパス時刻表」では、乗り継ぎ相手の1851E列車は国府津11:08発。ところが国府津駅跨線橋にある発車案内には「普通 熱海 11:13」とあった。平日と土休日を見間違えたか、と、もう一度時刻表を見たが、そんなことはなかった。隣に平日の時刻が乗っていたが、そちらでは11:14発なので、そもそも該当する列車が時刻表上にない。
まあ、今日は先を急がない。のんびり行こうと構えた。
やがて「1851E」を先頭に掲げた列車が入線してきた。ともかくも乗り込む。早川駅を過ぎてふと横を見ると、国道一号線に合流する道路がだいぶ混んでいた。空はいつの間にかどんよりと曇り空。>

湯河原付近の車窓 2025年12月30日

熱海には11:44着。所定通りで一安心をした。

2024年12月30日 3本目:熱海→浜松 東海道線普通浜松行 447M

2022年の年末も、今回と同じルートで名古屋経由神戸へと旅をした。この時は、平塚・熱海・興津・浜松・豊橋と乗り継いだ。当時の時刻表冊子そのものがないのでもう分からないが、熱海から浜松まで直通する電車は珍しかったように思う。手元に残っている乗車記録でも、熱海から島田行きに乗り、途中の興津で興津始発の浜松行きに乗り換えている。
今、手元にある「コンパス時刻表」2025年1月号では、熱海から浜松までの直通運転が概ね30分に1本あり、その合間に興津~島田の区間運転の列車が挟まるダイヤになっているようだ。運用の都合なのか、需要との兼ね合いでそうなったのか分からないが、今回の旅には非常にありがたい。
さて、今回乗る熱海~浜松の通し運転の451M列車。2両編成+2両編成+4両編成の8両という、静岡県内のJRとしては長い編成での運転。313系だが近畿車輌のステッカーが見える。*4
三島12:47発。車内の座席が一気に埋まる。手荷物の大きな客が多い。バックパックもだが、そんなに何が入っているのだろうと思ってしまう大きめのスーツケースもある。
沼津12:53発。駅を出てしばらくすると、線路脇に広大な空き地。車両基地を建設中とのことで、いずれは電留線がこちらに移ってくるようだ。
立ち客は思ったほど多くない。だが、座席の方は駅に着く度に若干の入れ替わりをしつつ、埋まったままだ。>

東海道線車窓からの富士山。雪は少なめ 2025年12月

大きめのバッグを抱えた女性は、おそらくは専門学科の教科書と思しき本を開いて、真剣に読みふけっている。並びのシートを確保した親子は、母親はスマホに、娘は某学習塾のロゴが入った計算問題のプリントに集中していた。少し離れたところにも、鉛筆を持って問題を解いているであろう女の子。そこから通路を挟んだところにいる、いかにもいいところの御方といった風情のおしゃれな服装のおばさまは、クラシック音楽に関する本を読んでいる。年末の帰省シーズンらしい、人それぞれな車内の光景だ。
島田13:58発。ボックスの向かいに親子なのか、祖父と孫なのか、鉄道好きらしいふたりが乗り込んできた。駅を出るとすぐ、大人の方が進行方向右を見るように促している。金谷での大井川鐵道の合流を見せたいらしい。その大井川鐵道はちょうど金谷駅に電車が着いたところ。
浜松14:25着。ここで14:47発の豊橋行き967M列車に乗り換えることにしていた。が、予定変更でここで昼食に。駅前の遠鉄百貨店に浜松餃子の店があるというので、そちらへ。最上階のレストランフロアはやはり混んでいるのでは……という懸念があったが、比較的すぐに席に案内してもらえた。1200円の定食には餃子とライスは勿論、食後の杏仁豆腐までセットでついていて満足感が高かった。>

遠鉄百貨店内「浜松餃子 錦華(きんか)」餃子定食1,200円

2024年12月30日 4本目:浜松→豊橋 東海道線普通岐阜行 3149F

浜松~豊橋区間運転列車がメインだが、珍しく岐阜行きの表示。こちらも313系。線路状態がいいのでここまで来ると眠くなる。>

浜松発岐阜行き普通列車 2025年12月30日

舞阪15:34発。うつらうつらしていた私の周囲が入れ替わった感覚で目を開けると、欧州系の若い外国人男性3人に囲まれている。何か話しているが何語か分からない。そうこうするうちに「ィポーニェ…」という単語が聞こえ、ロシア語かそのあたりの言語だろうと推測する。荷物に若干のアニメ要素があったので、そういうことで日本に来たのだろうか、などと考える。弁天島あたりで3人が揃って海を見ていたのは、珍しいからなのだろうか。
このままこの列車に乗っていてもいずれ目的地には着くのだが、豊橋で乗り換える。

2024年12月30日 5本目:豊橋→金山 東海道線新快速米原行 5343F

豊橋~名古屋~岐阜~米原間には「快速」「新快速」「特別快速」がある。「特別快速」は東京、「新快速」は京阪神エリアのイメージがある呼称なので、両者が同じ線路を走っていることには違和感を禁じ得ない。実際には停車駅が違うそうだが、自分が用事があるのは名古屋駅金山駅のどちらかで、そのどちらにもすべての列車が停まるので、さほど気にせず乗ってしまう。
さすが大都市圏。ここに来て座れない。ただ、仕事帰りや学校帰りという風情の人はいない。月曜日ながらさすが年末、ほぼ私用の人々ばかりだ。
16:54、ほぼ暗くなった金山駅へ列車が到着。1日目の旅が終了。ホテルへのチェックインにはまだ時間があったので、駅近くのフィットネスジムへ直行。我ながらよくその体力があるなと思いつつ、1時間半ほど汗を流した。

*1:https://www.jreast.co.jp/kippu/04.htmlにあるとおり、普通の乗車券の有効期間は距離で決まっているため、ぐるりと回るコースにしたことで単純な往復より距離が伸びている。

*2:青春18きっぷだと、特急列車に乗る場合、特急料金に加え、該当区間の運賃部分も別途支払いが必要

*3:鉄道が趣味でないと、案外このルールを知らない方も多いかもしれない。JRの乗車券はhttps://www.jreast.co.jp/kippu/05.htmlにあるとおり、途中下車できるのが原則。交通系ICが使えるエリアなど一定の条件では途中下車を認めない、という例外規定がある。

*4:Wikipediaによると、近畿車輌313系3次車まで製造に関わっていたとのこと。基本は日本車輌製造が製造していた。