小さくて大きな町のローカル線~東武鉄道小泉線~
東武鉄道小泉線に乗る
JRのローカル線は「青春18きっぷ」のおかげもあってちょいちょい乗りに行っているが、大手私鉄の支線区となるとどうしても足が向かない。乗りつぶしオンラインの自分の記録を見てみても、大手私鉄で完全乗車しているのは小田原線・江ノ島線・多摩線の3線区しかない小田急だけで、小さい支線が多い京王や京急、西武はなかなか完全乗車に至っていない。
現住地を走る東武鉄道の支線区も例外ではなく、実質本線のような顔をしている桐生線や鬼怒川線にはちょいちょい乗っているが、伊勢崎線でも太田~伊勢崎は乗ったことがないし、その太田と館林の間を迂回する小泉線もわざわざ乗ったりはしてこなかった。
アテもなくフラリと家を出た大型連休の2日目。そんな路線のひとつに「わざわざ乗りに行こう」と思い立った。
東武へJRでアプローチ:湘南新宿ライン(宇都宮線)2534Y 浦和→久喜
東武に乗るのに、なぜか買ったきっぷは「のんびりホリデーSuicaパス」。モバイルSuicaユーザーならアプリ上で購入できて、そのままスマホをフリーパスとして使える。自宅は東上線のエリアなので、今回の目的からすると端からJRに乗ることになる。それが今回このきっぷを買った理由だ。完全デジタルで手元にきっぷが残らないのはちょっと残念だが、同じ(モバイル)Suicaを使うことでそのままパスのエリア外区間の精算が自動的に済むのはありがたい。
北朝霞で蕎麦をかき込んでから南浦和へ、さらにひと駅隣の浦和へ出て、そこから宇都宮線へ。平日の昼前だが休日の人とそうでない人とが入り交じって非常に混んでいる。乗り換えの南浦和駅の階段の人の流れが異様に遅いと思ったら、先頭に幼児の手を引いた女性。階段を降りるのもまた、社会への大切な一歩。みんな追い抜いては行くが、迷惑そうな顔はしていなかったように思う。
いつもながら狭いホームには人が溢れていた。京浜東北線に続き、宇都宮線も席は完全に埋まった。立ち席もそこそこいる。30分ほどで昼前の久喜駅に着いた。
東武伊勢崎線:久喜→館林
自分は日常的に都県境を跨いで行動しているので、それが当たり前だと思っている。が、そんなものは大都市圏に巻き込まれたごく少数の都府県に限られた話で、大抵の所では県境付近の人の流動というのは少ないようだ。JR東北本線も宇都宮駅から先、福島県に向かっていくところでは急に乗客が減る。それが東武線でいうとどうやら久喜のようで、都内の地下鉄から直通してきた列車は大抵久喜止まりで、その先は久喜~館林までの区間運転のようだった。
館林行きとして入ってきたのは、東武でも大所帯の10030系。以前東上線でよく見た顔の電車だ。随分久しぶりに東武の方向幕を見た。久喜止まりの地下鉄・東急の車両からはそれなりの数の人が降りてくるのに、この館林行きに乗ったのは10人いるかどうか。7人掛けのロングシートにひとりかふたりずつくらいしか座っていない。
沿線は住宅地と農地が入り交じる。特に駅間の線路際は農地が多く、水を張り始めた水田が多かった。12:30過ぎ、館林駅に到着。駅舎に品がある駅なのだが、今日は乗り継ぐのでこのまま駅構内に留まる。
東武小泉線:館林→西小泉
館林駅は1番線から5番線まであるが、ちょっと変わった形をしている。ホーム2つに対して伊勢崎線の3本の線路がある「2面3線」構造の2面のホームの北側を切り欠き、その切り欠きにそれぞれ1番線と4番線がある、という構造だ(館林駅 構内マップ|東武鉄道ポータルサイト)。区間運転の多い支線の乗り場を分けつつ、車両自体の行き来はできるようにしておくための工夫なのだろう。
30分近くの待ち合わせだが、小泉線の発着する4番線には随分早くから客がいた。さっきまで乗っていた久喜~館林の各駅停車より人がいるのではないか、と錯覚するほどだ。時間帯のせいか、若い人も多い。そして、聞こえてくる外国語。外国人労働者の多いエリアだとは聞いていたが、こうもがらりと変わるかと思うほど。
入ってきたのは、元祖10000系の11204F。ステンレスで昭和な感じのする先頭デザインだが、こちらはLEDの行き先表示。ワンマンの支線区にはちょっと贅沢かもしれない。
昼時だが、車内は比較的に賑やか。そんな中、走り出して割とすぐ、車窓を見ていて気づいたことがあった。進行方向向かって左側に、明らかにもう一本線路が敷けそうな余裕があるのだ。
本中野駅に至っては、ホーム脇にかなり広い土地が駅に沿って残されている。1963年まで貨物扱いを行っていたというから、その名残なのだろう。
およそ20分ほどして、終点の西小泉駅に到着。早速、日英中韓葡西の6カ国語表記の駅名標に歓迎された。
小さな駅だが、きれいに作られている。みどりと黄色のブラジル国旗の色もアクセントに入っていて、ちょっと日本らしくない感じも。駅前に公園が整備されていたが、どういうわけか栗の木がたくさん植えられていた。
大泉町内を歩く:西小泉駅→小泉町駅→東小泉駅
駅名は東小泉、小泉町、西小泉と「小泉」だが、町名は大泉町。これは1957年の合併によるものだそう。町内には戦時中、中島飛行機の工場があり、小泉線もそれに伴って現東小泉~太田を結ぶ支線が作られたとのこと。現在でもパナソニックやSUBARUの工場があり、それらの工場で働くブラジルやペルー出身の日系人労働者が多い、というのは、よく知られているところだろう。
町内にもポルトガル語の表記がたくさん。また文化を反映してか、美容室のような佇まいのでタトゥー店を2つほど見かけた。店主らしい男性が暇そうに、店先へ立っていた。
昼時を逃していたので、バーガーでも食べようかと思って店を探し向かうも、駐車場が満車で店内が人であふれかえっている。大型連休ともなると、こういう工業中心の町ではまとめて休日になる人が多いのだろう。幸いそこまで空腹ではなかったので、歩き続けることにする。
小泉町駅付近に「城ノ内公園」という公園があるのを見かけた。公園には隣接して中学校・小学校もあり、「随分と広い土地が公用地になっているとは……」と調べてみると、戦国時代に築城された城の跡なのだそう。線路際なので軍用地なのかとも思ったが、そうではなかったようだ。
さらに歩いて東小泉駅付近に来ると、太田方面との線路の分岐点に来た。線路は築堤の上を走り、脇の道路から見上げる形の線路が、初夏の青空にとてもきれいに見えた。
小泉線:東小泉~太田
小泉線は館林~東小泉~西小泉と、東小泉~太田の2区間からなる路線だが、相互を直通するのではなく、東小泉から太田へ向かう普通電車はその先、赤城へと延びる桐生線と直通運転をしている。
こちらもLED装備の短編成の電車。やはり、思ったより人が乗っている。
太田駅は高架化されている。土地に余裕があるのと車社会なのとで、鉄道への高架化の要請は都市部以上に大きいのかもしれない。そんな立派な高架橋を、2両編成がちまちまと走っていく。
太田駅前の整備の具合も、とても非県庁所在地とは思えないくらいしっかり、こぎれいな町だった。が、食事を取れそうな場所がない。よく見ると閉店、テナント募集の店もまあまあ見かける。仕方なしにコンビニで済ませることにした。
その後の行程
太田からは伊勢崎線で伊勢崎へ。伊勢崎市内も太田同様高架化されていて、そこへ2両編成がちまちま走って行くというちぐはぐな感じ。時間帯のせいか、高校生や大学生が増えてきて車内が賑やかだ。
伊勢崎からはJRへ。ここからまたのんびりホリデーSuicaパスの出番。
特になにか大きな見どころがあったわけではないけれど、町としてなにか元気さ、勢いを感じた群馬の旅でした。
いつの間にか…2年近く経ってました
COVID19がありとあらゆるものを変えました。
w-inds.の2020ファンクラブツアーは自分が行ったZeppTokyoの回以降中止。
accessのライブは大幅延期で翌年実施。
かろうじて行けたのが2020年のホールツアーだったか。
それも記事にする心の余裕もありませんでした。
職場は学校に合わせ1ヶ月半休業、その間に自身が怪我をして(COVIDとは無関係ながら)入院。信頼してた上司が異動、自分の上にまた別の上司が来、今までとの感覚の違いに戸惑うやらイライラするやら…。
そしてなにより、このブログの更新が完全に止まりました。なにしろこのブログのお題、音楽か旅行かしかないもので、それができないとなると更新しようがないのです。
近況だけ。
w-inds.さん、accessさんの動向は追いかけてますが、現場には行けてません。COVID対応で逆に人手が必要になっているワタシの職場、昨年より休日出勤が増えてます(担当を分散させたため)。
逆に入院中から始めた「東京放課後サモナーズ」というゲームにはまり、そこから「ケモノ系VTuber」にはまる(元々動物キャラ好きなので)という新世界開拓中。
そして、入院直前に故障していたデスクトップパソコンを2021年秋に更新。
ちょっと創作など、してみたいな、と思っている所です。
忙しいと作りたくなる。インプットが多いと、アウトプットもしたくなる。
そんなことなんでしょうね。
w-inds. LIVE TOUR 2019 "FUTURE/PAST"
本来なら名古屋公演参加後に編集の予定が、けがのため行けず、そのままになっていました。
今さらいろいろ書けないので、ほぼそのまま公開します。
参加は7月26日八王子(ツアー初日)、8月11日大阪の二回。
1曲目から最新シングルをぶちかます斬新展開にやられたのが今回ツアーの最大の目玉でした。
それほどまでに自信作、そして新たなw-inds.の側面を見た思いです。
さて、開演45分ほど経ってようやくまとまったMC。
《八王子》龍一くん来場への感謝等々で(2017に続き)自己紹介を忘れそうになり、気づいた涼平くんが「そんな彼が龍一くんです。」と紹介。「斬新だなあ」。ついで涼平くんを龍一くんが紹介。慶太くん「居るだけで2℃下がる」「そんな理由でついた名前じゃない」とのやりとり。最後に「この流れだとふたりで紹介することになる」「みんなもやる?(やるー)」「うわあ恥ずかしい」→階段の影に隠れる「せーの『慶太ー!』」「はあーい!」
《大阪》初っぱな龍一くんのはずの「ありがとうございます」に涼平くんが被る事故。
龍一くん「コール&レスポンスやっちゃう?」からの全体→2階3階→男子。男性crewの勢いに「くうぅっ!」っと気持ちよさそうな龍一くん。
「昔の挨拶は声が高くて」なんて話をしたにも関わらず、慶太くんが結婚式のの司会のようなかなり落ち着いた挨拶。龍一くんが「もういいよFutureの方で!」というと「もし大変でしたら座って見ていただいても」
M11 Drive-Me-Crazy (from EP "ブギウギ66" [2007])
今回のもう一つのびっくりポイントがここ。
ツアー初採用のこちらの曲。ジャジーなノリの曲にあわせ、ハットを被ってスーツで決める三人がかっこよく。
その後のMC。
《八王子》M17「SUPER LOVER ~I need you tonight~」を受けて、モーリスホワイトばりの「みゃおーん」を披露する慶太くん。涼平くんもなかなかだが、龍一くんはあんまりうまくない。しまいには「あおぉ~~ん」と遠吠えに。
慶太くん「なんでこんなに飛ばしてるか分かる?トークやってて音楽に飢えていたからでぇす!」で大喝采。
龍一くん「みんなも待ちきれなかったのかな。SNS見てると《更新遅い》とか《グッズの発表が遅い》とかねえ」「お待たせして済みませんでした」
青森a-nation、DA PUMPと共に参加。ライジング所属男子は仲が良いという話が出ていたが、食堂で食べたときに慶太くん→DA PUMPメンバーと、涼平くん→スタッフさんと、龍一くん→ダンサーさんと食べるという展開。「店員さんは『うわあw-inds.仲悪いんだろうなあ』って思ったんだろうね」と慶太くん。
《大阪》ftfで慶太くん龍一くんが接触。「罪もありませんが」と歌詞に掛ける。
「昔、HEY!HEY!HEY!って番組でユニバーサルスタジオジャパンに行った」「僕らもいずれそういう、w-inds.ミュージアムみたいなものを…姫路あたりで」(涼平くん「なんで姫路なんだろう」)。「入るとこう3人のパネルがあって、俺のところが抜けてて俺になったような気分に」
「Rain is Fallinのイントロだけ体験できるやつ」
涼平くん「VRで、こんな感じの」「糸出てきたら、それどっかで見たやつ!」「糸出てきちゃうのはどっから出ようとダメだから」「で、慶太は何ーポッターなのかな」「タチーポッターですか?」「みんなでマント着てさ」
でも25周年あたりにはやりたい。いきなりSASUKEみたいに雲梯やってくれ、なんてのだとみんなついてこれないから、ゆるめで。
「でも今日は限界超えましょう!」
慶太くん「ペンライト1曲降り続けるの大変だよね、みんなの気持ちになろうと思ってやってみたことあるけど」龍一くん「目指せこの二の腕!」と自分のがっしりバイセプス披露!
アンコール中のMC
《八王子》ステージから全体写真撮影。カメラマンさんが出てきたものの、使用機材がiPhone。「そのごついのじゃないんだ!」(笑)
20周年に向けどんどん作っていくのでついてきて欲しいとの話。
《大阪》大阪の制作会社?のスタッフさんが撮影。「GetDownは時間かかったが、次はもっと早めに、アルバムも、そしてツアーも」と先々楽しみなコメント。
enc2 More than words (from EP "FLY HIGH" [2012])
2019夏旅:4日目8月14日:奈良~伊賀~四日市
木津川沿いに三重県へ:関西本線 322K列車 奈良~加茂・関西本線 230D列車 加茂~伊賀上野
ホテルで朝食をとり、近くのヤマト運輸のセンターから荷物を送り出して、奈良駅へ。まだ観光客が動き出すには早く、がらんとした駅。でも、スーツケースやバックパックの人はそれなりに見かけた。
台風10号接近で、スカッと晴れてはいるものの、かなりの強風。
関西本線は、大阪方面から京都府木津川市の加茂駅までと、名古屋方面から三重県の亀山駅までが電車、その間の区間はディーゼルカーでの運転。従って加茂駅で必ず乗り換えになってしまう。2両のディーゼルカーは9:36、定刻の発車。
木津川沿いに山間にどんどん分け入っていく。農村と言うよりは山村と言った方が合うような、「ザ・ローカル線」な風景が続く。10:14,伊賀上野に到着。
我が町ののんびりローカル線:伊賀鉄道
『忍者』は1番乗り場へ。などと書いてあるので、ついつい降りてしまう。
伊賀市内を縦貫して走る元近畿日本鉄道のローカル線、伊賀鉄道。「元近鉄」ではあるが、今走っているのは元東急の車両。
これに、「伊賀」にちなんで忍者のラッピングを施して走らせているのだ。
スピードは「忍び」のイメージからはほど遠い、のんびりした走り。どこか急ごうというのでは無いけれど、普段着のくらしのすぐそばにある電車、と言った感じだった。乗客は、街なかへお出かけのお年寄り、小さな子どもを連れたパパ、沿線のショッピングセンターへ営業に来たと思しき、不慣れな感じのビジネスマン。
35分ほどで伊賀市の反対側にある近鉄線の伊賀神戸駅に到着。すぐ折りかえして戻ってきた。
嵐に追いつかれた:関西本線 234D列車 伊賀上野→亀山、関西本線 2308G列車 亀山→四日市
ちょうどお昼なので、伊賀上野駅からちょっと歩いたところにあるコンビニへ。パンを買って帰ってきたが、雨が本格的に降り始め、走って戻る羽目に。
伊賀上野駅の駅舎は瓦葺きの風情のある駅舎。構内にも旧い標識などあってよかった。
12:21、234D列車で亀山へ。京都のお茶をアピールするラッピングが施されており、カーテンもそれに沿ったデザインだった。
途中亀山で乗り継ぎ、JR四日市駅には13:53到着。ここで自分の迂闊さに気づく。ホテルを取るときに予約サイトから「駅が近い」という条件で引っ張り出したのだが…。
四日市にはJRと近鉄の両方が走っており、両者の駅はちょっと離れている。「駅が近い」といってもどっちの駅から近いのか、ということを気にしなければいけなかった。
そう、宿泊先の四日市シティホテルアネックスは近鉄駅の近く。横殴りの霧雨の中を、延々駅前通りを歩く羽目になってしまった。
街なかは遊園地:四日市あすなろう鉄道
でも、近鉄の駅に近いことにはメリットがある。近鉄から移管された第三セクター鉄道「四日市あすなろう鉄道」は近鉄駅近くの「あすなろう四日市駅」発着だからだ。
日本の多くの鉄道のレールとレールの間隔(軌間)は1067mm、一部私鉄と新幹線が1435mm、ほかいくつかある。その中でも狭い部類にあたる762mmは俗に「ナローゲージ」と呼ばれ、日本では富山県の黒部峡谷鉄道、三重県の三岐鉄道の一部、そしてここ、同じ三重県の四日市あすなろう鉄道の3社4路線しかない。
軌間が狭いから、電車もミニサイズ。両手を拡げて大の字になると、ほぼ電車の幅と一緒だ。
近鉄は大きい規模の鉄道会社だけど、昨今一部のローカル線を切り離した。今日乗った伊賀鉄道や、この四日市あすなろう鉄道もそうだ。
小さな車両は雨の中、ごとごとと走り出す。見た目も走りも、内装もかわいらしい。そんな電車や、軌道は四日市市が所有している。鉄道路線維持のときに言われる「線路や設備は地元自治体所有、運行を会社に委託」という上下分離のやり方だ。
路線もコンパクトなので、1時間ちょっとで全部乗り切ってしまった。