access 25th Anniversary TOUR 2017 double decades+half
聖地、中野。
一度はついえた夢が、再び輝き出した。
accessの楽曲を聴くようになったのは、高校在学中の1994年のこと。でも、彼らはそのあとすぐに1995年から活動を休止してしまい、「大学に進学したら、バイト代でライブへ」なんて思っていた僕の夢は、永遠にかなわないかと思っていた。
だから、2002年に活動が再開され、ふたたびライブを見られる可能性が出たときには本当に嬉しかった。ライブへの参加は少し時間が空き、2007年「TOUR 2007 binary engine」から。2008年「TOUR 2008 We are access」からは、ほぼコンスタントに中野サンプラザ公演にお邪魔している。
聖地、中野。
そう呼んでも過言ではない、なにか不思議な雰囲気がこの会場にはあるように思う。特に、accessのライブでは。
ほぼCD通りが、逆に新鮮
いつも、CDとは全然違う斬新なアレンジでびっくりさせてくるaccessのことだから、今回はどうするんだろうと思っていたら、なんとなんとの「オリジナル・リスペクト」。完全なCD通りではないけれど、それに近い形での演奏をする、ということだ。
言ってみれば「リバイバル」。
鉄道の世界でも「リバイバル運転」が結構ある。ただ、それは蒸気機関車(SL)が多く、電車や電気機関車は少ない。なぜなら、電車や電気機関車に含まれる電子部品は、鋳型から再現可能な蒸気機関車の部品と比べると、「同じものを用意して再現する」のが難しいからなのだそうだ。
音楽でも同じことが言えそうだ。アコースティック楽器と比べたら、日進月歩の電子楽器で「同じ音を同じように再現する」のは結構苦労するものなのじゃないだろうか。
でも、この日、大ちゃんはそれをやってのけてくれた。もちろん、ヒロは毎回変わらない美声を届けてくれていたから、安心して聞いていられた。
そして、初めての曲も…
当日のセットリストには、こんな曲があった。
COSMIC RUNAWAY
accessがaccessになる前、「浅倉大介 pred. AXS」名義でリリースした曲。一度、以前のツアーで聞いたことがあるけれど、やっぱりこの節目のところでこの曲をやってくれた、というのは感慨深いところ。
DRASTIC MERMAID / SCANDALOUS BLUE / TEAR'S LIBERATION
「初めて買ったシングルはこの3枚です」っていうと、ファン歴の長い人にはぎょっとされてしまうかもしれない。1993年にリリースされたこの3枚は、ミュージックビデオでもメンバー2人+男性ひとりの「三角関係」っぽいものを匂わせていたし、その直後に「休止」となったこともあって、トラウマになっている人も多いそうだ。
でも、僕はこの3曲が本当に好きだ。だから、先だってリリースされたベスト盤にちゃんと3つとも入っていたのが嬉しかったし、ライブでは3曲連続演奏されたことに感動。
"DRASTIC~" では、鼻にかけ気味のヒロの声がマーメイドの色気を感じさせるし、"SCANDALOUS~"では、もはやホール公演での定番となった「ヒロがシンセブースの大ちゃんに寄って行ってからの(規制されました)」もあったので、大満足。
ただ、今回一番グッときたのは "TEAR'S~"。
Open My Heart 幾つかの夢の場面(かけら)
想いは途切れても このまま立ち止まらない
Open My Wings 傷ついた夢を抱いて
もう一度歩き出せる 現在(いま)は信じて
僕らだけが見つめた 永遠を越えてゆく
本当に、そうだ。accessは一度その「想いは途切れ」はしたものの、「このまま立ち止まらな」かったからこそ「(傷ついた)夢を抱いてもう一度歩き出し」たのだ。
そして、「僕らだけが見つめた 永遠を越えてゆく」予感も伝わってくる。
MCでも、大ちゃんの「(デビュー後最初のライブツアーの千秋楽だった)この場所に、25年も経ってから立っていられるって思ってた?」という質問に、ヒロが「思ってたよ!…途中、僕らお休みしちゃったけどね」と答えていた。
そんなやりとりを聞いて、逆に安心したのは、僕だけじゃないと思う。
後半
"Only the love survive"は久々だったし、"Vertical Innocence" は近年は春ツアー「ELECTLIC NIGHT」でヒロのボーカルがリアルタイムリミックスされていることが多かったので、普通に聞くのはやっぱり久しぶりだったかな。
とにかく楽しくてあんまり記憶がない。最後の"LOOK-A-HEAD"は、もう必死であの振りをしてた。
11月25/26の舞浜には仕事で行けないけど、その分を十分に取れた中野の公演でした。