天翔橋北斗の旅々失礼します

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2018夏旅:九州へ

あてもなく九州

w-inds. LIVE TOUR 2018 "100"  の観覧のために福岡に行くことにし、なんとなくでとった博多のホテル4泊。しかし事前の時期は忙しすぎて予定を十分に考えられず、まさに「あてもなく」になってしまった。

2018年8月15日:鹿児島本線から日豊本線 博多→小倉→中津→大分

14日も遅くまで予定を考えていた。そんな折、台風接近中との報。

デジタル台風:台風201815号 (LEEPI) - 総合情報(気圧・経路図)

さして強くはないものの、九州を南東から北西、つまり宮崎から熊本経由で福岡に抜けつつあるという情報だったので、台風の後を追いかけるように回れば良い、という結論に。

6:42発の鹿児島本線 3220Mで小倉へ、8:18小倉発日豊本線 2531Mから、中津で4635Mに乗り継いで大分へ。

4635Mは815系2両編成。この車両は20mの車体の片側に3つドアを持つが、そのドア間は横に座るロングシートタイプで、そこにつく窓は分割されていない巨大な1枚の窓。盆の最中ということもありがらがらの車内で、反対側のロングシートから窓の外を眺めていると、大きなスクリーンに映し出された風景映像を見ているような気分になる。

11:45に大分駅に到着。

一度駅から出てみた。JR九州の大きな駅では定番となった、大屋根のついた駅前広場では何かイベントが行われていた。

駅前を歩いて店を探そうとしたが、雨が降ってきたので、駅構内の飲食店に切り替える。列車はがらがらだったが駅は買い物や食事の人でごった返していた。

大分といえば、とり天。とり天の定食をたっぷりいただき、再びホームへ。

ホームにはJR九州の看板「ななつ星」が停まっていた。前日に門司港駅でも見ていたのだけど、1編成しかないのに、この遭遇率は結構運が良かったと思う。

2018年8月15日:久大本線 4834D 大分→豊後森

こちらが乗るのは、久大本線の黄色いディーゼルカー キハ125系2両の編成。それなりに乗客を乗せた 4834Dは12:53の定刻からおよそ7分遅れての出発。弱小とはいえ、台風がもたらした雨の影響があったようだ。

ひたすら山中を進む。風雨はさほどひどくなく、台風が通過しているとは思えないほど。温泉地の駅、由布院を過ぎ、14:38に豊後森に到着。

豊後森駅にて

豊後森駅は、久大本線の開通に際して車両基地が置かれた場所。今に至るまで、SL用の扇形の車庫や、転車台が保存されている。

その一角には、事務所を再利用した「豊後森機関庫ミュージアム」がある。JR九州の車両を多くデザインしている水戸岡鋭治さんが、各車両をデザインしたときのスケッチをまとめた本が興味深かった。ミュージアム入館者は街なかのお店で割引等のサービスがあるということだったが、あいにく盆休みの店が多く、使うには至らなかった。

2018年8月15日:久大本線 1860D 豊後森→日田

さて次の列車へ、と思って駅に行って、案内を見たところ、さっき降りたのと同じホームからだという。見覚えのある黄色のディーゼルカー。車番もさっきと同じキハ125-19とキハ125-114の2両編成。運用上はそのままのようだ。

発車は15:43。

大分から豊後森までは、山の中と言っても「農村」といった風情のあるところだったが、豊後森から日田の区間は本当に「山中」ということばがしっくりくる区間。しかし、そんな区間でも頻繁に「特急あそ」や「ゆふいんの森」とすれ違った印象がある。

ローカルの輸送に徹するのか、観光需要を中心に考えるのか。どっちかに偏っても良くないのだろうけど、JR九州の考え方の一端を垣間見た気がした。

2018年8月15日:久大本線 1862D 日田→久留米

キハ125-18とキハ125-1の同じく黄色コンビに乗り換えて、久留米着。

久大本線は、2017年7月の豪雨で一部区間が不通となっていたが、2018年7月14日に運転を再開したばかり。その全線復旧を祝う展示が久留米駅にはあった。

さて、素直に鹿児島本線で博多に戻る・・・わけがない。実は今回使っているのは「青春18きっぷ」ではなく「旅名人の九州満喫きっぷ」。JR九州だけではなく、九州内の私鉄も乗り放題なのだ。

博多とは反対方向、大牟田へ向かった。

2018年8月15日:西日本鉄道天神大牟田線 大牟田西鉄福岡(天神)

JRの路線の中でも幹線は、明治以前の社会状況に由来する「事情」に左右されて作られていることが多い。城下町で住宅が密集しているから街の郊外に駅を作る、というのもその1つかもしれない。

のちになって、鉄道が通らなかったことで「不便だ」と感じた人たちが、新たに会社を設立して鉄道を引き直すこともあり、こうした路線は「官鉄」、つまり現在のJRの路線と競合しつつ、独自の特徴を活かして営業をしてきている。

西鉄天神大牟田線もそんな路線なのだろう。

今回初乗車だったが、「周囲に何もないところを」「とにかくまっすぐ走っている」という印象があった。街道沿いに伸びた鹿児島本線と違い、天神と大牟田の間を最速で結ぶことを考えたのだろう。

およそ60分で繁華街・天神に到着。雨が降っては来たけれど、街の賑やかさに改めて九州最大の都市のエネルギーを感じた。