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2015夏・長崎めぐりの旅 第1日目

プロローグ~8月12日(水)

長崎に行きたいとは、ずいぶん前から思っていた。

本業が塾講師、しかも社会科の担当とあらば、日本の歴史、特に外交史・交易史・宗教史の鍵をにぎってきた長崎の街を訪ねないわけにはいかないと思っていたからだ。しかし、ずるずると伸ばしているうちに、いつの間にやら長崎は「まだ行ったことのない片手に収まる程度の数の都道府県」のひとつになっていた。

 6月頃には既にぼんやりと「行こうかな」とは考えていたものの、夏の本業の予定がはっきりせず迷っていた。そんな中、UNESCO世界遺産で「明治日本の産業革命遺産」が選ばれ、長崎もその中心地のひとつとされた。

明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 - Wikipedia

 これは行くしかない、と決意し、既に決まりつつあった予定と妥協しながら計画を立て始めたものの、既に早割のチケットの申込期限は切れ、自分の持っている特典でやや安くする程度が精一杯だった。ホテルもなかなか無く、なんとか確保。

ばたばたしつつも、8月12日午後7時 ANA3739便の客となった。

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自分にとっては初の「ソラシドエア(https://www.skynetasia.co.jp/)」運航便。B737-800はずいぶんと小さい機体だなと思ったが、JRの新しめの特急列車程度のシートピッチはあり、足を伸ばすことはできた。21時過ぎに長崎空港着、空港バスで長崎駅前のホテルへと向かって1泊。

「長崎」の基本を知る~8月13日(木)

実質上の長崎初日。そこここで爆竹の音がして、朝から賑やか。

あとで知ったところによると長崎流のお盆の習慣だそうで、墓参りに行けば墓で、精霊流しの船を通すときにもその先々で、爆竹をならすのだそうだ。

駅前のバスターミナル内のうどん屋で、暑い中熱いきつねを一杯。そのあと、長崎電軌(

http://www.naga-den.com/)3系統で長崎駅前電停から桜町電停へ。

長崎歴史文化博物館で「長崎の基礎」を知る

長崎歴史文化博物館(http://www.nmhc.jp/index.html)は、江戸時代の長崎奉行所のうち、山寄りにあった「立山役所」のあった場所で、発掘調査で分かったことから復元した役所の建物を、さらに博物館の建物の一部に組み込む形で作られている。安土桃山時代の「南蛮人」来航から明治にかけて、という、長崎の街の基礎を形作った時代背景を学んだ。

特に「立山役所」を再現しているゾーンでは、幕府直轄の貿易・外交拠点として重要だった長崎奉行の仕事が実に多岐に渡っていたことが説明されていた。

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常設展示のあとは、「PIECE OF PEACE」展。PEACEは言うまでもなく「平和」だが、「PIECE」の方は?というと、見てわかるとおりのレゴブロック。レゴブロックで世界遺産を作り、それを展示するというすごい企画。

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来年の文化遺産登録を目指す長崎の教会群から「大浦天主堂」。ほかにも、アンコールワットサグラダファミリア、富士山や厳島神社など、よく作ったなあというものばかり。

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サント・ドミンゴ教会跡

博物館から出ると、目の前にもう一つ看板が。江戸時代初期に作られた「サント・ドミンゴ教会」の跡を保存したところだというので、こちらも見学した。教会と2回にわたる代官屋敷の建築により、3層の遺跡になっているそうだ。十字の付いた丸瓦がたくさん展示されていた。あらためて長崎は「教会の街」だと知る。

ここの係の方に「博物館の上の防空壕はご覧になりました?」と言われる。見ていないと答えると、「無料でご覧いただけますからそちらもどうぞ」と。

そうだ、長崎は「戦争と原爆と平和の街」でもある。

立山防空壕

古くから貿易港として栄えたところというのは、多くの場合、海岸線に山が迫っている。ここでさっそくその洗礼だ。一度降りてきた歴史文化博物館前の坂を登り、博物館の裏手に回り込むと、そこに防空壕があった。

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ここでは1945年8月9日午前、当時の長崎県知事(防空本部長)を中心に「もし長崎に《新型爆弾》が投下された際には」という対策を協議していたところだったという。長崎の原爆爆心地は市街地北部の「浦上地区」だったため、この防空壕など主要施設があった南部には大きな被害は当初なく、上層部にもそのような報告を打ったそうだ。

それなりに大きな防空壕で、中も見ることができた。

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講堂のような大きな部屋もあったが、ここの天井には「原爆投下よりもあとのタイミングで、室内で何かを燃やしたために」ついた焼け焦げたあとがあるという。

眼鏡橋から亀山社中記念館へ

坂を下りて、イートインのあるローソンで昼食。おサイフケータイをタッチしたら、普通なら「Edy」「Suica」の選択画面が出るところ、やはりというか「Edy」「SUGOCA」の選択に。

川沿いの街へ出た。ここに名所「眼鏡橋」がある。

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長崎は街が狭いせいか、道路も狭く混み合っている印象。そういう街の特徴として、狭い道でも意外と速いスピードで車が走ってくる、というのがある。この川(中島川)の両側の道路でも数回ヒヤッとした。

川を渡り、対岸の街の坂を上る。斜面に張り付くように寺と住宅と墓地が渾然一体となって広がり、火薬の匂いも立ちこめている。

家と家の間の狭くて急な階段を一生懸命上っていく。

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登り切った先には、坂本龍馬らが作ったという「亀山社中」だったとされる建物が復元されていた(長崎市亀山社中記念館)。案内の方によると、《風頭山(かざがしらやま)の斜面に当たるここからは、港も長崎街道もよく見えるため、それを狙ってここにしたのではないだろうか》とのこと。コンパクトながら、訪れる方も多くいて、龍馬の人気のほどを改めて知った。

120円均一の魔力~長崎の路面電車

坂を下りて、諏訪神社電停から再び路面電車の客となった。長崎の路面電車は今年で開業100周年だそうだ。

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道路の中央部分を電車が走っていて、乗るには横断歩道か歩道橋を渡って乗るのが基本スタイル。古い電車がずいぶんあったが、低床ノンステップの新型車も走っていた。何より驚いたのが120円均一なのと電停間の距離の近さ。地元のおじさん曰く「歩いてだっていけるのに、観光の人はみんな《乗ってみたい》んだろうねえ」。そんなおじさんも乗っているわけで、気軽に乗れるようにする施策が奏功しているのではないだろうか。

今度は3つの系統が拠点とする蛍茶屋電停で下車。雨が降ってきたが、そう長く続かなそうなので足早に次の目的地へ。

シーボルトの足跡を訪ねて~シーボルト記念館

蛍茶屋電停のあたりを「鳴滝」とも呼ぶ。シーボルトが講じた鳴滝塾の所在地だ。ここにはシーボルト宅跡とシーボルト記念館(シーボルト記念館 - Wikipedia)がある。

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江戸時代のオランダ商館関係者は、特別な場合以外は出島からはでられなかったはずだが、こうして市中での指導を許されたというのは、彼への信頼の高さを現しているのだろう。あまり彼のことは詳しく追っていなかったので、娘でやはり医師になった「楠本イネ」のこと、再来日のことなど初めて知ったことも多くあった。

新中川町電停まで降りてきたら、晴れてきて蒸し暑くなってきた。

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5系統で終点石橋電停へ。

居留地の空気を味わう~グラバー園大浦天主堂

石橋電停から少し歩くと、グラバー園(http://www.glover-garden.jp/)の上に出る「グラバースカイロード」という斜行エレベーターがある。ここを登り切り、さらに普通のエレベーターで上るとグラバー園の入り口なのだが、あいにく上のエレベーターが故障中。観光客のためだけではなく、鍋冠山(なべかんむりやま)の斜面に住む住民の方の足という側面もあるようだが、これがないとなると逆に地元の方がどうしているのかも気になった。

登り切ったところからの風景は格別だった。思わず、Nexus7の内蔵カメラアプリの「パノラマ撮影」で大きな画像を撮る。

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ここからは、1858年の開国以降の長崎を垣間見る。グラバー園はさすがというか、人も多かったが保存もしっかりしてい

る。

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グラバー園を通り抜けて降りてくると、今度は大浦天主堂(長崎県サイトより大浦天主堂と関連施設)。

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教会堂の中は現役の宗教施設ということもあって撮影できなかったが、「現存する日本最古の教会堂」の持つ荘厳さが、折からの夕陽でさらに強調されて、ただただ圧倒されるばかりだった。

この日の食事

  • 朝食:県営バスターミナルのきつねうどん(写真なし)
  • 昼食:ローソンで買ったおにぎりなど
  • 夕食:「三八」銀座店で皿うどん

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