プロローグ~8月12日(水)
長崎に行きたいとは、ずいぶん前から思っていた。
本業が塾講師、しかも社会科の担当とあらば、日本の歴史、特に外交史・交易史・宗教史の鍵をにぎってきた長崎の街を訪ねないわけにはいかないと思っていたからだ。しかし、ずるずると伸ばしているうちに、いつの間にやら長崎は「まだ行ったことのない片手に収まる程度の数の都道府県」のひとつになっていた。
続きを読む凶悪な犯罪があると、「自分の思い通りにならなかった腹いせに他人を殺害した凶悪犯はけしからんから死刑にしろ」っておっしゃる方々がいるのですが。
あれ、自分で言ってて何か変だとか思わないのかな?って思います。
続きを読む115系という電車は、僕くらいの年齢の人間にとっては「懐かしい」ものである。1990年代の前半、高尾以西の中央本線の普通電車といえば「紺とクリーム色の電車」であり、たまに松本から「白に水色帯の電車」が、高尾~大月間では「オレンジ色の電車」が乗り入れてきていた。
「紺とクリーム」「白に水色」はもちろん115系である。
国鉄然としたその車体は、笹子トンネル内では爆音を上げて走り抜け、車内の会話もほとんど聞き取れないくらいだった。春・秋のボックスシートはハイカーの宴会場と化していて、その人たちに冷たい視線を浴びせつつも、高校生だった僕らは僕らの世界を楽しんでいた。
良くも悪くも、思い出がいっぱい詰まった電車なのだ。
続きを読む