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そらねっと通信局 on はてなブログ

鉄道・旅・音楽・ラジオ・気象・教育、など

2015夏・長崎めぐりの旅 第2日目

光と陰が重なり合う~8月14日(金)

日本二十六聖人記念館

この日は宿泊中のホテルからも近い「日本二十六聖人記念館」(http://www.26martyrs.com/)へ徒歩で。例によって階段を登っていく。遙か上の方の墓地からは再びの爆竹の音。

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 1597年、豊臣秀吉は、かねてから出していたバテレン追放令に加え、禁教令を布告。京都にいるキリスト教宣教師や信徒24名を捕らえ処刑することとなった。その処刑地として選ばれたのが、キリシタンの多くいた長崎だった(あとから2名増)。

見せしめとしかいいようのないこの処刑についての記念館が、長崎に作られている。建物は現代的な設計のものだが、中の雰囲気の荘厳さに飲まれてしまった。

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こちらには、禁教中に「キリスト教」とは似ても似つかない信仰となってしまった「かくれキリシタン」についての展示もあった。もはや信仰を守る人々も減りつつあり、貴重なものだという。

出島

神々しい気持ちのまま、路面電車1系統で出島(http://nagasakidejima.jp/)へ。出島は、明治以降に沖合が埋め立てられ、内陸と化してしまっていたが、現在発掘調査と復元が進められているとのこと。復元に当たっては江戸時代と居留地時代という2つのブロックに分けて進められているようで、その境界線を越えるとがらっと雰囲気が変わるのが面白かった。

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江戸時代の建物の中で既に復元済みのものに、カピタン(商館長)の居宅があった。純和風の部屋の中に、西洋式で住まう、というのは、さぞかし不思議な光景であったろうと思う。展示物はよく整理されていて見やすかった。

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現在の出島の海寄り、港には「出島ワーフ」という商業施設がある。1階の「でじま朝市」で昼食にする。

洋館と孔子廟~港町らしい文化のモザイク

ここからは電車に乗らず、歩いた。日差しは強いが、海風が心地よくて不快には感じない。

旧イギリス領事館

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いかにも、な感じのこの建物は元イギリスの総領事館。海に面した通りに建っているが、敷地にすら入れなかった。

東山手十二番館

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ここから雰囲気のある通りを抜け、右に折れてカーブする急坂を登っていくと、活水学院という学校。そして洋館が見えてきた。エメラルドグリーンに塗られた洋館、ツタが這う石塀、石畳の道。まるで映画のワンシーンのような風景。

 

その先、ちょっと歩くと、移築された洋館群。そして、その中では長崎ゆかりの写真家・上野彦馬に関する展示がされていた。

孔子廟

長崎にはもちろん中国系の方も住んでいるわけで、そんな方たちのいる場所につきものの「孔子廟」もある。ちょっと大きくなるが、こちらもパノラマ撮影してみた。

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電車展~「交通機関」とは

電車が便利なのでよく使っていたのだが、そんな車内に「電車展」の告知が出ていたので、市内の繁華街「浜の町(はまのちょう)アーケード」にある百貨店「浜屋」へ。

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会場に着くや「お帰りにお使いください」と無料乗車券!これはすごい。

古い時代の電車通りの写真や運賃の変遷を書いた表、鉄道模型の展示があったり、また最新技術としてスマートフォンとも連動する運行管理・乗車支援のシステムについての説明もあった。運転士は業務用のスマートフォンを持っていて、運行上必要な情報が表示されていたり、車いすなど支援の必要なお客さんからは、運転士に対する支援のリクエストを電車が着く前に送ることができるようになっているとか。

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小さな規模の路線だけど、みんなに親しまれているのは今回の旅行中そこここで感じた。「人を運ぶ」のは、ただ「移動させる」のとは違うと思う。長崎電軌という会社も、そんなことを意識しているのではないだろうか。

「長崎の夜・感激の出島」~ライブな「展示」

今回、長崎に行くにあたり、知人が教えてくれたイベントがある。それが「長崎の夜・感激の出島」というイベント。

出島の中に「新石倉」という石積みの倉が再現されている。そこがシアターとなっており、日中は解説映像の上映がされているが、週末の夜になると音楽演奏や劇の上演が行われているのだそうだ。

8月中は週末「F's Company (http://www.fs-company.com/)」という劇団が担当する「文政三年・オランダ喜劇」というイベント。文政3年は1820年。開国まではまだ40年近くあったものの、この時期にオランダ人商館員が劇を演じ、それが「日本で初めての近代演劇」だとされているのだそうだ。その記録に基づき、当時の演目の再現をするとともに、江戸期に出島であった様々なエピソードを短い劇仕立てで紹介する、というもの。

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まさに「動く展示」。歴史もこういう感じで提示されるとぐっと面白く身近に感じる。当時の劇をオランダ語で上演というリアリティはもちろん、その後の「出島でのエピソード」の現代劇パートでも、商館員と遊女のうわさ話に明け暮れる長崎の街の女性たちなんて、当時もいたようにしか思えないし、幕府と商館長との間の板挟みになる通詞(通訳)の姿など、なんとなく滑稽だけど、上司と顧客の板挟みになる営業担当者みたいでかわいそうになってくる。観劇で感激、楽しいひとときだった。

ちなみに、文政3年当時に上演された劇では、商館員に男性しかいなかったため、女性役も女装の男性が演じたとか。今回上演されているものは逆に、キャストの関係上、男性役を女性が演じているものがあるとのことだった。

夜景を見に

ここから駅へ歩いて戻る。夜景の名所、稲佐山へ。展望台まで登るツアータイプのバスもあるのだが、昨日の段階で予約で満杯。あきらめて通常の路線バスにした。簡単にコンビニで腹ごしらえをし、バスで山頂付近へ。

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夏だからなのか、今ひとつはっきりしない夜景だったけれど、美しさは十分伝わった気がする。

今日の食事