w-inds. LIVE TOUR 2018 "100" - Songs & Performance
w-inds. is Back in Summer
また、ツアーの夏です。
今回は千葉涼平・橘慶太・緒方龍一3人の満年齢を合計した数字*1 "100"という名前のアルバムを踏まえてのツアー。
"100"のコンセプトは「POPSという名のノージャンル」。
ファンにも世間にも媚び過ぎることなく、音楽と表現の最先端を見つめるw-inds. 。
今年もそんな彼らの「一番新しい形」を見たくて、次の3公演を観覧しました。
- 7月22日(日) 宮城・東京エレクトロンホール宮城
- 8月12日(日) 福岡・福岡市民会館
- 9月2日(日) 埼玉・大宮ソニックシティ
例によってメンバーのトークは以下の記事にて別枠でご紹介しております。
大宮ソニックシティ公演は埼玉NACK5 / 千葉bayfmの首都圏独立系FM2局の共催でした。
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ステージセット
ステージには高さの違う直方体状の台が左右に3つずつ設置され、左にはギター・サックス・キーボードが、右側にはベース・キーボード・ドラムスが陣取るというセッティングの真ん中に、さらに正方形のセンターステージがあるというセッティング。
ただ、セットも含めてステージはそれほど広くない印象でした。
バンドメンバーが乗っている「台」には客席側の2面にLEDディスプレイが設置されていて、いろいろと表示されていました。
各楽曲のパフォーマンスについて…の前に
特に収録盤の記載のない曲は、album "100" (2018)収録曲です。
M1:Bring back the summer
アルバムの制作最後の楽曲が出来た。
— Keita Tachibana (@Official_Keita) May 22, 2018
w-inds.とCrewが繋がれる様な曲。
Bring back the summer, then w-inds. is back this summer again.
と言うフレーズとメロディーが降りてこられました。#百 #onehundred
というわけで、アルバム"100"の12曲中、最後に出来たアルバム最初の曲が、当然のようにオープニング。ただその前にバンドだけでの30秒ほどのフュージョン風のイントロがついて、ググッと盛り上げてから、ギターのイントロでスッと落としての曲入りでした。
フュージョン好きとしてはここだけでも「おぉ、かっこええ!」と。
"Bring back the summer, then w-inds. is back this summer again." と歌いながら、左右に揺れる3人。ここだけで、今年もこの場にいて良かったなあって思わせてくれます。
この歌、歌詞自体がホントに今のw-inds.のありようを宣言してますね。飽きさせないよって。
ここからM5にかけてのバンドの聴きどころはドラムス。この曲の「そう、こんな風に」という歌詞からサビに入るところなど、ポイントポイントでピシッっと入ってくる打音にしびれました。
M2:In Love With The Music (from EP "In Love With The Music" / album "Blue Blood" (2015))
メンバーのガッシガシのダンスタイムに、慶太くんのボーカル力が存分に発揮されるメロディと近年のw-inds.の一番それっぽいところな曲のひとつ。かわ島崇文さん(SAX PLAYER-かわ島崇文:おふぃしゃるさいと)によるサックスソロもあって「今回はこういうのもありますからね!」みたいな感じに。
M3:Show You Tonight (from album "Blue Blood"(2015))
「存分に楽しませてあげるよ!」との宣言ソングM3への流れ。crewが沸くこの2曲で、がっしり「僕たちこういうグループですから!わかってますよね!」と引っ張っていってくれます。サビ「It's The Show Time」へ入る直前や2番に入るところなど、ドラムでパシッと8分連打が入りますが、これがまた今回の演奏ではすごく印象に残りました。ライブの冒頭の高揚感を、さらに高めてくれた、なんて書いても大げさではないかも。
M4:All my love is here for you
M1~M3とグッと盛り上がったところで、最新アルバムからちょっと落ち着いた感じのこの曲へ。この曲はちょっと変拍子風味*2のサビで引き込まれちゃいます。
2番で、涼平くんのちょっと甘い感じの歌い方のBメロから、サビで慶太くんに行くところ、いいですよね。
原曲は打ち込みバッシバシでしたが、バンドということでより泥臭い感じに。
そして涼平くん・龍一くんがお互いの動きを空気で感じながら動いている、そんなお互いへの信頼あふれる雰囲気が、この曲ではすごく感じられました。
福岡公演では、この曲へのスタンバイ時に龍一くんがマイクを取り落とすトラブル。「ごとごとっ」という音で会場中にあふれた「えっ!」という空気が、龍一くんからの「ごめんね…!」の声で一気にSmileな雰囲気になったのを感じました(1階前方だったのでちらっと振り返ったらそんな感じでした…たぶん…気のせいじゃないと思う。)
M5:I missed you
元の曲ではエレクトリックな感じが強かったのですが、今回のライブアレンジではロックテイストがマシマシ。なんか、「遠距離恋愛だけど信じて待ってていい、ちょっと不器用でごつい男」を感じたのは私だけでしょうか。
M6:try your emotion (from EP "try your emotion"(2002))
最新アルバムからの曲が続いたところで、一気にデビュー翌年まで時間軸を戻して「初見さんと出戻りさんを盛り上げて安心させてやろう」という魂胆を感じますね(褒めてますよ)。
もちろん今回のバンド編成なので、オリジナルというよりは2016年の 15th Anniversary Tourに近い感じのアレンジ。サビのところのサックスが生だとやっぱり映えますね!
そんなサックスの間奏からのダンスタイム突入!もアガる要素でしたね。
M7:四季 (from EP "四季" (2004))
ご挨拶のMCを挟んでのこの曲。元々切ない曲なのですけど、バンド編成でやると特にキーボードのエレピ音とアコースティックギターの音が、いっそうその気分を増幅させますね。オリジナルではメインボーカルを一貫して慶太くんが歌っていますが、今回はサビの前のワンフレーズだけ龍一くんが歌う箇所があって、ちょっとアクセントになっていました。
特筆すべきは、全般を通じてダンスがちょっと控えめな今回のツアーにおいて、この曲についてはほぼオリジナルスタイルでのパフォーマンスだったこと。Crewの中には一緒に手の振りをしていた方もいたのでは?
www.youtube.comそして私としては、またわたらせ渓谷鐵道をたずねたくなったのも、もちろんです*3。
M8:A Trip In My Hard Days (from EP "Time Has Gone"(2017))
去年からおなじみのフレーズが聞こえてきて、Crew、特に道産子2名のファンがドッと沸くこの曲…ただ去年と違うのは生サックスであの印象深いフレーズがずーっと流れていること。いかにもアコースティックらしい譜割りの揺れも込みで全部が「かっこいい」です。
そして、龍一くんが涼平くんと自分を意識して書いたLyricがしっくりきすぎていることもあって、ふたりが本当に楽しそうにこの曲をパフォーマンスしてるなあ…って思うんですよね。特に「(龍一くん)少しシャイな君、(涼平くん)破天荒な君」と相手のことを言い合うところは、本当に楽しそう。
「絶えず押し返す波模様 時にぶつかることもあるだろう / そんなときには手を離す?(No!) わかり合うまで話し合う?(Yes!)」のところ、ついつい一緒に「No!」「Yes!」っていいたくなるの、私だけですかね(てか、みんな言お?ね?どう?)。
M9:Do Your Actions (from album "Timeless"(2014))
なんでだろう。ジャンル的に全然違う曲調なのに、ここのつながり結構しっくりくるんですよね。龍一くんのギターはよくあるとして、涼平くんのキーボードが割と自分には斬新でした(そして、「がんばれ!」みたいな気分に…)。
最後はミラーボール登場。なんでしょうこのw-inds.が地球回してるぞっぽい感じ。大宮では2階席観覧だったこともあって、ホール全体にこのミラーボールの反射の光が流れているのが視界いっぱいに広がって、まあ神々しいことったら。
M10:Celebration
サビの"You are the sweetest love song"のフレーズが印象深いこの曲。M9と同じ配置での演奏で、「ロックバンドw-inds.」っぽい感じでしたね。LEDディスプレイにも、リハーサル中に撮影したのでは?と思えるセピアカラーでの3人の演奏中の映像が映し出されていました。
M11:The Right Thing (from album "Blue Blood"(2015))
キーボードが涼平くんから慶太くんに代わり、印象深いピアノのリフレインを慶太くんがプレイ。
M10終了後に裏に回った涼平くんは、龍一くんのラップが終わるところで、上手側からスタンドマイクを自分で持って登場。
M12:ORIGINAL LOVE (from album "INVISIBLE"(2017))
w-inds.名義ながら龍一くんソロ曲のこれ。生バンドで生ドラムってこともあって、自然派なイメージのある龍一くんの思う【愛】さらにがあふれていましたねえ。仙台ではサビの「All right, all right, all right」を歌うcrewが多くて、そのあとの部分を歌う龍一くんも満足そうでした!
M13:In your warmth (from album "INVISIBLE"(2017))
と来れば、涼平くんがこれを歌わないわけがない、っすよね。
出だしからもう素敵。
センターステージに乗った状態ではじまり、途中で前に降りて歌い、最後「君だけに誓うよ I'm always here for you」って歌うと、アウトロ終わらないうちに「ありがとうございました」とあっさりいなくなっちゃう…という。
照れくさいのかしらね(そんなわけないと思う)。
福岡の最後のMCで涼平くんに憑依して登場した「そこの明太子屋の主人」が歌いかけていたのもこれ。
M14:TOKYO (from album "Seventh Ave." (2008))
で、こんな流れだったら、ここで慶太くんが"Separate Way"( from album "INVISIBLE" (2017))を歌うと思うじゃないですか。
「んまばたきせず~」って!!!!
ふるさとを後にしてがんばる人への応援ソング(またw-inds.の筋トレソングともいう)「TOKYO」ですよ!
1コーラス目はピアノ伴奏で、抑え気味ながらも情感たっぷりに歌い上げる慶太くん。「負けないよーー…」で溜めたあと、「自分にーーーー」ともう天井の上の空のさらに上の成層圏を突き抜けるかの歌声で、不覚にもおじさん目頭がナニしてアレでした。
そのあと両サイドから涼平くん龍一くんが登場、ディスプレイシステムには大都会の夜景が映し出され、バンドアレンジながらオリジナルに近いTOKYOに。15th Anniversary Tourの"FUNTIME"のセットを思い出しました。
M15:十六夜の月 (from EP "十六夜の月" (2004))
続けてはこれまた懐かしいこの曲。こちらも「四季」同様、ほぼオリジナルに近いダンスパフォーマンス。Crewがこの曲で3人と一緒の振りをしたい、ってのがよくよく分かってらっしゃる…!
♪ha-a-a-a 十六夜の月~~~♪(手を上下に動かしつつ)
M16:Long Road (from EP "Long Road" (2003))
分かってらっしゃるナンバーその2。この曲は何度でも書きますが15th Anniversaryの両国国技館の最後の時間に、ファン全員の歌声で響き渡った曲なのですよね。というわけで、今回のツアーでも「回り道でも~」のところから8小節をCrewに振ってました。もちろんどの会場でもしっかり声が響いていたことでしょう。仙台福岡大宮はもちろんばっちりでしたよ。
M17:SUPER LOVER ~I need you tonight~ (from EP "SUPER LOVER ~I need you tonight~" (2003))
からのさらにみんなでわいわいできるこの曲。一緒に歌える部分があるのは今となっては稀少。
特に言うことはありません。だって楽しいもん。「Do you wanna I know 罠…」のとこも「SUPER LOVER」のところも。
M18:We Don’t Need To Talk Anymore (from EP "We Don't Need To Talk Anymore" / album "INVISIBLE" (2017))
「わいわいするのも楽しいけど、僕たちのカッコいいところも見てよ」的な感じでここに入ってくるこの曲。ボーカルドロップのサビで3人がガッシガシに踊ってくれますよね。 その流れで次の曲なんだろうな、って思うんですけど、どうしてそう思うかは次の曲のところで。
M19:Temporary
album "100"リリースに先んじて、MV付で先行公開されたこの曲。もうまず曲調にやられました。
なにこの南九州感(あえて沖縄と言わない)。
どこのリゾートで流れてる曲ですかって感じ(JR九州さん、ソラシドエアさん、聞いてますか?使えますよこの曲。(余計なこと言っちょし))
で、この曲ちょっと特徴がありまして、通常の曲展開ならサビにあたる部分に歌詞がない*4、のです。
M21 "Time Has Gone"リリース時に「100%の力で踊りたいのでサビは歌わないでボーカルドロップにした」と慶太くんが答えたインタビュー記事(w-inds.に訊く、“充実”を迎えたグループの現在地「『僕たち自身が音楽を表現している』ことが一番の舵」 - Real Sound|リアルサウンド)がありました。この手法は"We Don't Need To Talk Anymore"と"Time Has Gone"で使われていますが、この曲はそこをさらに進めて人間の声がない状態になってますね*5。
で、そんな設計の楽曲だから存分に踊るかと思うじゃないですか、
踊らないんですよねぇ、MVでは。
佇まいだけで魅せてくれますね、これ。
で、そのあえて踊ってないMVをディスプレイでいくつも映しながら、ステージ上では生身の3人がしなやかで息の合ったダンスを披露してるんです。「踊らない」と「踊る」、表現上は対極なスタイルの3人を一度に全部見れちゃう、こういうの眼福っていうんじゃないのかい?っていうほど贅沢な瞬間でした。
M20:The Love
そこからのこの楽曲。ひとことで言えば、「幻想的」。リバーブの強くかかった浮遊感のあるトラックに、低音・中音・高音と段階を踏んで上がっていくボーカル*6。
ステージセットの各奏者が乗っている台も、曲にあわせて左右にゆらゆらと動き、幻想的な雰囲気をさらに醸し出していました。
M21:Time Has Gone (from EP "Time Has Gone" / album "INVISIBLE" (2017))
すっかり定番曲になってるTime Has Gone。今回はサビのところでサックスがバックのフレーズを繰り返すところがあり、これまた印象に残りました。
M22:Come Back to Bed (from album "INVISIBLE"(2017))
昨年度はライブ冒頭でパフォーマンスしてたこの曲、今年は後半のこの場所。昨年度は「これから素敵な夜だよ」みたいな感じでしたが、今年度は「そろそろ疲れたよね、寝る?」みたいな雰囲気を醸し出していました。
知ってますけどね、寝かす気がないのは。
だってこの後、MCですもん。
M23:Stay Gold
アルバム"100"の中でもCrew人気の高いこの曲。ちょっと不思議な感じのイントロはステージでもそのまま。
M24:We Gotta Go
全編英語詞のこちら。歌詞がディスプレイに大小取り混ぜた文字で表示されています。
3人は原曲と同様ボーカルをどんどんリレーしていくスタイル。
"Make me feel like melting chocolate"
とかしれっと歌えちゃう慶太くんに嫉妬。
このあたりは楽曲自体の素敵さを楽しんだ感じですね。
M25:Drive All Night
本編最後はこの曲。文字通りオーディエンスをDriveしてくれるこの曲。ちょっと"IT'S IN THE STARS ~I need you tonight~"なんかを思い出しちゃうようなノリの曲。
もうホントに「ヴォーカリスト橘慶太」を満喫するための曲ですね。慶太くんの高音がばりっばりに入ってきます。特にフェイクで高音に上がっていくところなど、うっかり拍手をしそうな勢い(ん~吹奏楽部脳ですな)。
沸いたところでアウトロ、3人はセンターステージ奥の通路へ入っていき、バンドがはけた後には "w-inds. LIVE TOUR 2018 One Hundred"のロゴがふわっと出てきます。
enc.1:Dirty Talk (from EP "Dirty Talk" / album "100" (2018))
アンコールの呼び声のあと、ちょっとアレンジされたこの曲のイントロが聞こえてきます。
シングルカットされた曲をあえてのアンコールで使用ってね。
この曲ではたいてい3人ともツアーグッズのパーカーを着てご登場なのですが、ちょいちょいフードで遊んでましたね(笑)
仙台公演では龍一くんが "It's My Voice"とか言ってた気がします。
enc.2:Sugar
ひとときMC挟んで、最後にこちら。ちょっとDaniel Powterの"Bad Day"なんかを思い起こす曲ですが、なんかこう"Bad Day"がリアリティ高めな感じがするのに対して、"Sugar"は「もはや夢の世界でしか会えない人への想い」を歌っているように思えて、切ない気持ちでいっぱいになります。
ステージ上から客席上の天井にかけて、流星群のように流れる照明効果もそんな想いを強めてくれました。
アウトロでバンドメンバーの紹介。
Drs.にはT-SQUAREで活躍中の坂東慧さんとのことで、随所でのキレの良さに納得。
一旦曲が切れたところで、3人から「ありがとうございました!」のあいさつがあり、メンバーが去り、そしてバンドの演奏が〆となって終了でした。
何度も、何度も拍手するチャンスがあって、そのたびに名残惜しくなるエンディングでした。