2017夏旅~第4日目:はじまりの国出雲へ
大社への道はややひねくれて~一畑電鉄:電鉄出雲市~川跡~出雲大社前
昨日までとはうって変わった晴天の日。朝さっそく、一畑電鉄・電鉄出雲市駅へ向かいました。
ローカル私鉄には似合わない、立派な高架1面2線(ただし2つの番線の位置がずれている変則構造)の駅には、島根県のキャラクター「しまねっこ」があしらわれたかわいいピンク色の2100系電車*1が待っていました。
大社線と北松江線は、電鉄出雲市駅から数駅行った川跡駅で分岐。ただ、線路の分岐のしかたは、松江市にある松江しんじ湖温泉駅方面から、電鉄出雲市と出雲大社前方面へと二股に分かれる形になっています。このため、電鉄出雲市駅発の電車は出雲大社前に行くものは少なく、基本的には松江しんじ湖方面に行くようになっています。そして、出雲市駅方面からの利便性を重視して、電鉄出雲市発の電車は川跡駅で必ず出雲大社前行きに接続するようにダイヤが組まれているようです*2。私も乗り換えをして、出雲大社前駅へと向かいました。乗り換え後は最新鋭の7000系。JR四国やJR西日本の電車と共通仕様にすることでコストダウンを図ったそうですが、この規模の地方私鉄で、(大手の中古ではない)新型車が入る、というのは意義があると思います。
9時すぎに出雲大社前駅に着き、改札に向かうと、友人のIくんが待っていました。高校卒業以来21年ぶりでしたが、すぐ分かったのは文明の利器でかねてから最近の姿を拝見していたおかげか、持っている雰囲気がそのままだったからなのか…まあ、どうでもいいことです。
彼が今住んでいるのは、参道に並ぶ土産物屋。参道で60年続く伝統のお店。お母様とおばあ様に御挨拶をしてから、参拝へ。周辺の建物が持っている意味合い等々、細かいところまでしっかり彼から教えてもらいました。
その後は、老舗旅館「竹野屋」さんを眺めつつ、大社とは反対方向の旧国鉄大社線の大社駅へ。いかにも大社への入り口にふさわしい堂々とした姿は、子どものころに駅舎図鑑で見たそのままでした。クルージング列車「トワイライト瑞風」が走り出した今、大社線が残っていたら...、などと想いを馳せました。
歴史文化博物館へ
礼儀、として地元の博物館へ行くようにしている私。ここでもしっかりお邪魔しました。古代史というと、神話的な内容で荒唐無稽だと思いがちですが、ただ「荒唐無稽」と片付けるのではなく、実際に起きたどのような出来事を、そうした話にまとめたのかということが、古代の研究ではひとつのテーマになっているようです。
特にこの石見、出雲、因幡の地はそんな物語の舞台。ガイドの方から仔細に、時に個人的な見解も含めてお話しいただきました。たとえば国引き神話。実際の地形の変化などと結びつける説もあれば、人的交流に重きを置いて解釈する説もあるそうです。
展示物で圧巻だったのは、ひとつは鎌倉時代に造営された出雲大社の本殿の再現模型。長い階段の先にある、空中神殿とも呼べそうな本殿。古代の出雲地方が持っていた《力》を感じられました。そしてもうひとつは、荒神谷遺跡出土の銅剣群。ずらりと並べられた200本の銅剣には、ただただ圧倒されるばかりでした。
電車を逃して
本当はこの日のうちに松江に向かう予定だったのだけど、そんなガイドの方の話に夢中になっているうちに、電車を逃してしまいました。
Iくん宅にふたたびお邪魔して、しばしお話をしました。おばあさまは90を越えてなおお元気。お店を開くに至った経緯などいろいろうかがいました。
夕方からはJR駅近くの居酒屋で二人で色々と話しました。21年の時を超えて、濃い二時間になりました。
乗り鉄の性~一畑電鉄:電鉄出雲市~松江しんじ湖温泉
午後8時前に切り上げて、「おやすみ~」と別れたものの、部屋に戻ってから乗り鉄の性がむくむくと。再び8時過ぎに電鉄出雲市駅へ向かいました。
ちょうど自宅へ帰るIくんに遭遇。呆れられながら松江しんじ湖温泉まで往復です。今度は元東急の1000系電車。周囲は真っ暗ですが、部活帰りらしき高校生や、親戚の家に行ったらしき子どもがまあだ乗ってきます。それなりに車内は、賑やかです。