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そらねっと通信局 on はてなブログ

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2016年8月13日:米沢市内をめぐる

旅行 東北 歴史

米沢市内をめぐるなら

今回の旅行の計画をあれこれたてていて、現状、過疎化の進む地方では、公共交通を維持していくのはやはり厳しいのだなあと感じた。秋田県内のとある地域の総合観光案内のサイトに「(この地域の)バスは生活路線なので観光には不向きなダイヤ。レンタカーかタクシーを使うように」とわざわざ書いてあるところまで発見してしまった。そして当のバスを調べてみると、大型のワゴン車で運行する乗り合いタクシーで、区間によってはオンデマンド運行(事前予約がない場合は寄らない)になっているようだった。
米沢の場合はそこまでではなく、郊外の温泉地までのバス路線は民間で、市内の各所は市が民間に委託して運行する、いわゆる「コミュニティバス」が結構頻繁に運行されている。しかも、民間・コミュ共通の一日乗車券まで発行しているのだ。まあ、これには、城下町など古くからそれなりの規模の市街地を作ってしまった街に特有の「鉄道が市街地を迂回して敷設されてしまったので、駅と市街地を結ぶ交通手段がどうしても必要」という事情もあるのかもしれない。

ちなみにそんなコミュニティバスの中には、当地出身の漫画家「ますむらひろし」氏の作品中のキャラクター、猫の「ヒデヨシ」が描かれているものもある。

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今日は、一日乗車券「米沢乗るパス」と、博物館などの共通入館チケット「米沢見るパス」を利用してぐるぐるめぐることにした。

 

上杉氏御廟

武田信玄との川中島合戦で知られる上杉謙信を祖に持つ上杉氏だが、江戸時代に入ると会津藩から米沢藩へ転封、さらには米沢でも藩主が後継を決めないまま若くして急逝したことから、石高半減という処分を下されてしまう。
そんな中でも幕末まで続いた上杉家は、代々の藩主を一ヶ所に葬っている。それが「御廟」だ。地名にも「米沢市御廟町」がある。

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山形交通の「小野川温泉」行きのバスに乗り、「御廟前」で下車。
御廟はうっそうと繁る杉林の中にあり、正面には明治時代になって米沢城内から移された謙信の廟、そしてその後に左・右・左・右の順に、第12代までの藩主が眠っているという。もちろん「為せば成る為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬ成りけり」で知られる10代治憲(鷹山)の廟もある。故人の冥福を祈るにふさわしい、静かな場所だった。

米沢市上杉博物館

ふたたび山形交通のバスに乗り、今度は内陸なのに「松ヶ岬(まつがさき)」というバス停で降りた。ここは旧米沢城にあたる「上杉神社」の脇にあたるところ。ぐるりと回り込んで、「米沢市立上杉博物館」へ。
公立の博物館で、旧藩主とはいえ個人名を冠するのは珍しいような気がする。それだけ、上杉氏と米沢という街の繋がりが深いことを表しているのかもしれない。博物館と文化ホールを併設するこの建物、入ってすぐに能舞台が「デン」と鎮座している。これはただのモニュメント的なものではなく、実際に能の公演がある場合は、背後の大ホールに空気浮上で移動させて使用できる、というびっくりするような構造になっているそうだ。

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博物館のスペースはさほど大きくないものの、織田信長から上杉氏に贈られた「洛中洛外図屏風」や、米沢の古代から近代までの歴史を概観できるようにはなっていた。ただ、戦国時代から江戸時代にかけての上杉謙信・景勝・治憲、そして臣下であった直江兼続前田慶次郎の存在が大きすぎるのは否めない。他の公立博物館よりは、古代~中世、近代~現代については薄めの印象があった。

昼食

博物館近くの「上杉城史苑」のレストランで、牛スジ丼にした。口の中で溶ける感じがなんとも幸せな昼食だった。

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上杉神社

隣接する上杉神社も参拝。夏休み中とあって参拝に訪れる人も多いようだ。僕の前には母子連れが一組。残念ながら子どもの方が着帽のままだったのは、お母さん教えてあげてください、という気分になった。

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その後は隣の史料館へ。上杉家に伝わる剣などを見ることができたが、薄暗いのであまり長い時間いる気にならず、そそくさと外へ。

 

米沢織物歴史資料館

米沢と言えば、織物の盛んな地でもある。その昔、織物業者の組合の建物として作られたという、ステンドグラスのはめこまれたモダンな建物だ。1階は現在の製品展示と販売、2階では歴史的資料の展示をしている。そう大規模なものではないけど、自動織機の音は僕の子どもの頃を思い起こさせてくれた。

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宮坂考古館

駅の近くにも、地域史家の個人的な収集物を納めた施設があると知り、一旦米沢駅に戻ってから徒歩で向かった。
ここもさほど規模の大きなものではないけれど、上杉氏関連の甲冑の数々がずらりと並んだ展示は壮観だった。同じタイミングで訪れていた女性二人の興奮ぶりが少しおかしかったけど。

 

夕食

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一旦ホテルに戻り、「今日は絶対米沢ラーメンにするぞ」と意を(胃を)決してふたたびバスで街へ。ただ、盆の入りとあってなかなかやっているお店がない。結構歩き回ってようやく中華料理「五十番」さんにたどり着く。
縮れた麺とさっぱりしたスープ。むかし家族で食べたラーメンをちょっとだけ思い出した。